2025.06.11
カテゴリ:労災保険
60代専務が過労死、実態ふまえて労災認定 越えた「労働者性」の壁
建設会社の専務取締役だった男性(当時66)が急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなり、労災と認められていたことがわかった。取締役は一般に労働者を雇う「使用者」とされ、労働関係法の保護が及ばないが、実態の検討によって労働者と言えるかどうか(労働者性)の壁を越えた。
遺族が賠償を求めた訴訟も会社側が解決金を払って和解した。
男性は千葉県成田市にある従業員約40人の建設会社でナンバー2の専務を務め、2017年5月に亡くなった。東金労働基準監督署の調査によると、週休は1日で主に現場監督として働き、直近2~6カ月の残業は月平均100時間を超え、「過労死ライン」の80時間を上回っていた。
労働者性が問題になったが、労基署は工事の受注や人員配置などを決める「業務執行権」は代表取締役にあり、男性にはなかったと指摘。実質は代表取締役の指揮のもとで働く労働者だったとして、18年9月に労災と認めた。
【令和7年6月11日 朝日新聞記事より】